- 学会発表で質問攻めに遭った…
- 研究成果に対して指摘されまくった…
- 質問に上手く答えられず、ボコボコにされた…
上記のような経験をされた方は多いと思います。
学会発表では多くの実績を挙げた研究者が集っている場なので、上記のような苦い経験をするのは仕方のないことです。
あまりにも辛すぎて落ちこんでしまう、という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、このような学会での「炎上」では、過度に落ち込む必要はありません。
本記事では
- 「炎上」とは
- 炎上する理由
- 炎上は悪いことではない
以上の項目について解説していきます。
学会発表での炎上が怖い人は、ぜひご覧ください!
「炎上」とは?
そもそも、「炎上」とは何を指すのでしょうか。
よく、TwitterなどのSNSで炎上した、と言いますよね。あれは、
「ある投稿・発言に対して、火が激しく燃えるがごとく批判が殺到すること」
が「炎上」の意味です。
これに対して、(学会発表に限らず、学生の)発表においては
「発表内容に対して、厳しい意見の指摘や質問攻めを受けること」
を、学生は「炎上」とよく揶揄します。
SNSの「炎上」と、学生の発表における「炎上」は、似通っている所があるのも事実です。
ですが、決定的な違いが一点あります。それは、
発表における「炎上」は、必ずしも悪いとは限りません。
なぜなら、発表での「炎上」は自然なことであり、今後の研究にもつながることもあるからです。
なぜ炎上するのか
炎上が起こる理由には以下が考えられます。
- 研究内容に問題点がある
- 知識不足
- 質問のレベルが高い
それぞれ詳しく解説していきます。
研究内容に問題点がある
まず最初に考えられるのが、研究内容に問題点があることです。
具体的には
- 研究内容の新規性が低い
- 得られたデータの信頼性が低い
- 考察の内容が薄い
などがあります。
特に多いのは
このデータは取ってないんですか?
という質問。
例えば、薄膜を作成した際に、その成分をXPS(X線光電子分光法)で測定したとします。
このような時、薄膜の厚さを測っていなかった場合は
「薄膜の厚さは測ってないんですか?」
という質問が飛んでくることになります。
対策としては行き当たりばったりに研究するのではなく、研究計画をしっかりと立てることです。
知識不足
自身の知識が不足していることにより上手く返答ができないことも考えられます。
具体的に、
- 研究背景を理解していない
- 実験方法の原理を分かっていない
- 深い考察をするだけの知識がない
といったことが挙げられます。
私の場合、実験方法の原理は分かっていたのですが、深い知識に乏しかったです。
そのため、研究背景も考察もあまり上手く返答できませんでした。
対策としては、研究に関連する論文を調べて知識として取り入れることが挙げられます。
質問のレベルが高い
上とは逆に、質問者が知識豊富でレベルの高い質問をしたために炎上することもあります。
この場合、
- 全く違う視点から質問される
- 高度な知識を要求される
- 疑問点が次々と出て来る
などが挙げられます。
「素人質問で恐縮ですが…」
という質問の枕詞がありますよね。
大体その後に鋭い質問が来て炎上、というのが定番の流れとなっていて大学院生からは恐れられている枕詞です。
対策はなかなか難しいですが、事前に研究仲間や、可能なら教授に質問してもらうことが有効だと思います。
炎上は悪いことではない
SNSのような炎上は別として、前述したような炎上自体は悪いことではありません。
そもそも、研究成果が完璧な研究はまずありません。
過去の大きな発見も、多くの失敗を積み重ねた上に生まれているのです。
炎上するということは、その研究に何らかの問題があったということ。
それはすなわち、その研究にはまだまだ改善点があるということです。
また、自身も炎上の経験を積むことによって成長できる、と捉えることもできます。
炎上せずに課題が見つからないよりも、炎上して成長につながる経験を得た方が今後にプラスになると思います。
まとめ:学会発表で炎上するのを怖がる必要はありません
というわけで、学会発表での炎上について解説しました。
以下に内容をまとめます。
- 学会発表における「炎上」は、厳しい指摘や質問攻めを揶揄した言い方
- 炎上は、研究内容の問題点や知識不足、レベルの高い質問などにより発生する
- 炎上が起こるのは当然であり、落ち込む必要はない
学会では鋭い質問が飛んでくることが多く、発表が怖いという方は多いかもしれません。
しかし学会での「炎上」は課題が見つかることも多く、一度でも良い経験になります。
今後の良い研究のために、炎上を恐れず発表しましょう!
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