修士論文(修論)は5ステップの書き方でなんとかなる|元院生が経験を交え解説

修論の書き方 研究
  • 修論ってどれくらい大変なの?
  • 修論書いてるけどなかなか進まない・・・
  • そもそもどうやって修論作ればいいの?

上記のような悩みを持つ方は多いと思います。

修論は修士課程を修了するためには必須ですが、書くのが非常に大変ですよね。

だからといってサボると修了できずにもう1年…なんてことになりかねません。

そこで、本記事ではそうならないために

  • 修士論文とは
  • 修論の構成
  • 経験者がおすすめする修論の書き方
  • 修論の審査が通るために必要なこと

を、丁寧に解説していきます。

「修論をなんとかしたい」という方は、最後までお読みください!

修士論文(修論)とは

修士論文は、修士課程を修了する際に研究成果をまとめて提出する論文のことで、略して修論と呼ばれることが一般的です。

学部生が卒業に際して提出する卒業論文(卒論)に比べて、修士課程ではより深い研究ができるので

  • 新規性のある成果
  • 十分な研究成果のボリューム(目安:50ページ以上)

が求められます。

また、ほとんどの大学では修論発表会が行われるため、修論の発表スライドも同時に作る必要があります。

修論は修士課程を修了するのに非常に重要な論文ですが、書くのがもの凄く大変なので、辛いと感じる人が多いです。

修論の体裁・構成

修論の体裁や構成は、学術論文と同じIMRAD型を取ることが多いです。

IMRAD型については以下の記事で解説しています。

以下に修論の構成を示します。

  • タイトル
  • 目次
  • 序論
  • 実験方法
  • 実験結果・考察
  • まとめ
  • 謝辞
  • 参考文献

それぞれ詳しく説明していきます。

タイトル

修論のタイトルは、概ねどんな研究の内容なのかを示すために付けます。

大体20〜30字程度のタイトルが付けられます。

目次

修論の内容がどのページに書かれているかをまとめた一覧が目次になります。

その性質上、この目次から作ることで修論を作りやすくなります。

序論

研究内容に関連した基礎知識や、研究をするに至った背景や目的を書く章です。

構成を考えるのが難しく、また参考文献の数が多くなる箇所でもあります。

また簡潔にまとめる学術論文とは逆に、しっかりと詳しく解説する必要があるため、ボリュームが多くなりがちです。

そのため、ここが一番苦労するという人が多いと思います。

実験方法

実験方法は実験に使用した材料・装置や、具体的な実験手順などを載せる章になります。

序論と同じく、内容を作り込むポイントであるため、ボリュームが多くなりやすいところです。

後述する実験結果につながる部分なので、実験結果を書いた後に回しても良いです。

実験結果・考察

実験や分析などから得られた結果をまとめ、そこから導き出された考察を書く章になります。

実験データなどは体裁を整えると見やすくなりますので、構成はしっかり作り込みましょう。

考察に関しては結果から考えられることを導き出しますが、この際に論文を探す必要が出てきますので、その点は留意しておいてください。

当然ですが、データ量が増えれば増えるほど大変になるので、日頃からグラフを作っておくなどの工夫をすることをおすすめします。

なお、大学や研究室によっては実験結果と考察が分かれていることもあります。

まとめ

論文の内容や実験結果を簡潔にまとめて記述する部分になります。

実験結果で重要だと思う内容を端的にまとめることが求められます。

謝辞

研究に協力してくれた人や、指導してくれた人への感謝を述べる項目になります。

具体的には

  • 指導教員
  • 使用させてもらった分析装置の所有者
  • その他研究に協力してくれた教授や研究者など
  • 研究室のメンバー

などです(親を入れることもあります)。

ここに関しては先輩の修論を参考に書くのがおすすめです。

参考文献

本文中に出た記述について、根拠として参考にした論文の出所を一覧にした項目です。

最後の項目ですが、本文中の内容と結び付いているため、参考にする度にここに追加することをおすすめします。

経験者がおすすめする修論の書き方

先ほどは修論の構成について解説しました。

しかし

「どうやって修論を書いていけばいいの?」

という疑問が出てくると思います。

そこで、ここでは僕が実際にやっていた修論の作り方を紹介します。

骨組みを作る

まずはざっくりと修論の構成を設計します。

何の計画もなしに

「よし!修論を書き始めるぞ!」

と意気込んで書いてもうまくいきません。

まずは目次を作ったり、使おうと思っているデータを載せて、どんな修論にするのかというものを明確にしましょう。

また、この時に先輩の修論を参考にして、忘れないうちに謝辞を作ってしまうと良いです。

序論作り&文献探し

骨組みを作ったら、最も大変と言っても過言ではない序論を作成していきます。

この時、内容の裏付けとなる論文や書籍を探して参考にする場合は、忘れないうちに参考文献に追加してしまいましょう。

実験結果にデータをまとめる

序論が大体完成したら、実験結果を作っていきましょう。

修論の内容の流れを分かりやすくするために実験データをまとめます。

実験結果を作成することを見越して、あらかじめ普段からグラフを作っておくと楽です。

実験結果から必要な実験方法と考察を書く

実験結果が大体固まってきたら、実験方法と考察を書きます。

実験方法に関しては、大学にもよりますが、使用した機器の原理や特徴もここに記載します。

考察では参考にした論文がある場合、忘れないうちに参考文献に追加しておきましょう。

まとめを書く

実験方法や考察も書いて、大体完成したら、最後にまとめを作成します。

まとめは本文の内容を簡潔にまとめるだけなので、そう難しくはないと思います。

修論の審査を通るためには

ここまで、修論の書き方を紹介してきましたが

「でも、修論が通らないと意味なくない?」

という声もあるでしょう。

そこで、修論の審査に通るために必要なことを以下に挙げていきます。

最低でも50ページ以上作る

修士は学部生に比べて研究時間が多く取れるので、修論は卒論に比べてボリュームが求められます。

大学にもよりますが、卒論は大体30ページ前後作ればいいのに対し、修論は最低でも50ページ以上は欲しいところです。

そのため、序論や実験方法を詳しく書いたり、考察に力を入れて内容を作り込む必要があります。

構成が整っている

修論は読み物なので、読みやすいように構成が整っていることが重要です。

IMRAD型であることはもちろん、内容や話の流れが分かりやすくまとめられていることがポイントになります。

新規性のある研究内容である

修論も立派な論文です。

論文は研究成果を発表するための文書です。

それはつまり、何らかの新たな発見があったから、論文として世の中に伝えようとしているのです。

したがって、研究内容は何でも良いので新規性のあるデータを取り、それを修論に書けば通る修論になります。

まとめ:修論は計画を立てて根気よく書こう

ここまで、修論の書き方について解説してきました。

内容を以下にまとめます。

  • 修論は、修士課程を修了する際に提出する必要がある、研究結果をまとめた論文
  • 修論の構成は基本的に学術論文と同じIMRAD型
  • 修論は最初から順番に書くのではなく、構成を考えた順番にするのが効率的
  • 修論が通るには量、質、新規性が重要

修論を書くことはとても労力の大きい作業なので、きついと思う方は多いと思います。

実際に僕もやっていて気が遠くなる作業でした。

しかし、毎日少しずつ書き続ければ完成に近づきます。

まさに「塵も積もれば山となる」です。

そのため、「この期間(1日や1週間)にこれだけやる」計画を立てて、根気よく書いていくことが重要です。

無事に修士課程を修了するために頑張りましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

コメント

タイトルとURLをコピーしました