どうも、さくらサイエンスプログラムで「サクラ」になったこんぷりです。
この記事では
- さくらサイエンスプログラムとは何ぞや?
- さくらサイエンスプログラムってどれくらい実施されてるの?
- うちの研究室もあるんだけど、注意すべき点は?
という人のために、実際に経験した僕が
- さくらサイエンスプログラムについて
- 受入れ機関となる場合の注意点
- 実際の僕の体験談
を紹介します。
これからさくらサイエンスプログラムがあるという方は、ぜひ参考にしてみてください!
さくらサイエンスプログラムは国際交流のプログラム
さくらサイエンスプログラムは、簡単に言うと、
海外から研究者を招へいして国際交流する
プログラムです。
さくらサイエンスプログラムのホームページには以下のように記載されています。
さくらサイエンスプログラムは、新たな時代の社会を担う、世界の優れた人材を日本に短期間招き、日本の最先端な科学技術や文化に触れていただくプログラムです。日本の受入れ機関と、海外の送出し機関が作成した交流計画を幅広く公募し、採択しています。
引用元:https://ssp.jst.go.jp/outline/detail/
ちなみに
- 受入れ機関:海外の研究者を受け入れて交流を行う研究・教育機関や法人など
- 送出し機関:招へい者を派遣する海外の研究機関など
- 招へい者:受入れ機関と交流するために来日する研究者や学生など
を指します。
さくらサイエンスプログラムの交流計画を公募・採択を行っているのは国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)です。
招へいする国や地域のほとんどはアジア圏
さくらサイエンスプログラムで受け入れている送出し機関の国や地域は、以下のグラフから分かるように、アジアからがほとんどです。
引用元:https://ssp.jst.go.jp/outline/detail/
中国が約3割を占めており、他もアジア圏が多いことが分かります。
実際、僕が3年間いた間にも中国やインドなどのアジアの大学との交流がほとんどでした。
また、2014-2019年度の6年間で33,197人も受け入れています。
選べる3種類のプログラムコース
さくらサイエンスプログラムには
- 一般公募プログラム:日本と海外の機関が計画した交流計画を公募し、採択された交流計画に経費を支援して実施
- JST直接招へいプログラム:JSTが自ら受入れ機関として実施
の2つのプログラムがあります。
しかし、普通の学生や院生に関係あるのは一般公募プログラムの方なのでこちらのみ紹介していきます。
一般公募プログラムにはさらに3種類のコースがあります。
- 科学技術体験コース:日本の先端技術に触れることや研究者・学生との交流体験のコース。最大7日間。
- 共同研究活動コース:共同研究の計画を決めたり、実際に研究活動を行うコース。最大3週間。
- 科学技術研修コース:科学技術に関する技術・能力の習得機会を提供するコース。最大10日間。
大学の研究機関であれば、共同研究活動コースが多いと思います。
共同研究活動コースは滞在期間が一番長く、最大3週間もあります。
それに加えて研究活動を行えるため、研究室としては研究を進めながら研究費を支援してもらえるところが大きな利点と言えます。
実際に僕が体験したのも、共同研究活動コースでした。
一般公募プログラムは年間約500件の採択実績
一般公募プログラムでは、どれくらいの交流計画が採択されているのでしょうか?
以下に、さくらサイエンスプログラムのホームページに載っている表を示します。
引用元:https://ssp.jst.go.jp/outline/program/
2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 合計 応募件数 574 636 631 608 688 704 3,841 採択件数 283 391 454 492 502 557 2,679
だいたい年間に数百件程度の計画が採用されていることが分かります。
採択件数は年々増加しており、2018年度には500件を突破しています。
とはいえ、日本の大学に研究室が山ほどあることを考えると、さくらサイエンスプログラムを経験する学生・院生の割合は少ないです。
つまり、さくらサイエンスプログラムを経験する方は「選ばれし者」と言えます。
自分の研究室が受入れ機関となったときの注意点
それでは、自分の研究室が受入れ機関の「選ばれし者」となった場合に気を付けることを挙げていきます。
コミュニケーションは英語
海外の機関はアジア圏が多いですが、基本的に英語でコミュニケーションを取ります。
なので
- 帰国子女
- 英語圏への留学経験あり
- 英会話スクールに通っていたなどで英語が話せる
などの方は問題なくコミュニケーションが取れると思います。
逆に英語が苦手な方は、コミュニケーションに苦労することになります。
まあ、コミュ力が高い人は出川イングリッシュみたいな感じで行けると思いますが…
僕みたいにコミュ力が低いとかなり厳しいです。
自分の研究はあまり進められない
さくらサイエンスプログラムの受け入れ期間中は、招へい者との交流をメインに行います。
交流のために様々なイベントが行われたり、共同研究で実験装置を使ったりすることになるので、普段よりも装置を使う時間や自分の時間が限られます。
あまり計画を立てずに研究を進めてしまっている場合は、特にこの期間は気を付ける必要があります。
実際の体験談
実際にどんなことをやったのか、僕が経験したことを紹介していきます。
合同シンポジウム
まず、相手方が来日して最初に行ったのが、お互いが行っている研究について発表するシンポジウムです。
発表者は
- 教授
- ポスドク
- 学生2人
の4人を互いに出し合う感じだったと思います(うろ覚え)。
この時僕は発表者ではありませんでしたが、当然、英語での発表となるため資料の準備も大変です。
ただし、英語での発表とは言ってもセリフを覚えればいいので、学会ほどは厳しくありません。
これは最初に行うイベントなので、顔合わせと研究紹介を兼ねている感じになります。
共同研究
滞在期間中は、たいてい共同研究を行います。
具体的に僕がやったことは、相手方の試料を、自分の大学にある実験装置を使って測定することでした。
分析装置を使用する場合は、簡単な英語で問題ないので、そこまで気にする必要はありません。
ただ、何か雑談しようとする場合には、英語のコミュニケーション力が試されます。
親睦会
さくらサイエンスプログラムは国際交流を目的としていますが、実施期間中も交流する機会はそんなに多くありません。
そこで、交流の機会を設けるために、飲食店で親睦会を開くことがあります。
僕の場合はネパールの大学とのプログラムだったため、インド・ネパールのレストランで親睦会が行われました。
前述した2つと違って、ガチの英語力とコミュニケーション力が求められます。
英語が出てこなかったり、話すこともなかなかできなかったり、コミュ力が低い僕には厳しいイベントでした。
まとめ:良い経験になりますが、英語ができる方がお得です
というわけで、さくらサイエンスプログラムについて解説してきました。
以下に内容をまとめます。
- さくらサイエンスプログラムは、海外(ほとんどアジア圏)から研究者を招へいして国際交流するプログラム
- 1年間に約500件の交流計画が採択・実施されているため、経験する学生はあまり多くない
- 当事者となる場合は、英語でコミュニケーションすることと自分の研究はあまり進まないことに留意
海外の人と交流したことがない人は、正直怖いかもしれません。
しかし、やって来るのは海外の研究者や学生で、みんないい人であることが多いので恐れる必要はありません。
むしろ、多様な価値観を持つ人々と関わりを持つことで、それが後々良い経験になってくるかもしれません。
ただ、やはりこのプログラムに限ったことではなく、大学院では英語ができる方が断然やりやすいです。
様々な経験を積んで、今後の人生を豊かなものにしていきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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